最近では多言語話者を意味する「マルチリンガル」や「ポリグロット」という言葉がよく聞かれるようになりました。どのレベルまで話せれば多言語話者を名乗れるのか、、、という定義は少し曖昧かもしれませんが、様々な言語に興味をもって多言語を学習している人が増えていることがわかります。
筆者もその一人で、英語・中国語・オランダ語を同時に勉強しています。ただ、社会人にもなると時間も限られますし、言語の学習量にバラつきがでてしまいますよね。1日に最低一つの言語を勉強するのが精一杯だったりします。
しかし、言語の上達のためには、毎日少しでも学習言語に触れることが大切です。
この記事ではスキマ時間も有効活用できる&多言語に対応しているアプリを3つご紹介します。
Pocket Casts: 多言語学習に最適なポッドキャスト
多言語学習者は利用必須の神ポッドキャストアプリ(AndroidとiOSに対応)です。
Pocket Casts の3つの特徴
- 世界中のラジオを聴くことができる
- 番組数が豊富
- 速度調整が可能・スリープタイマー付き
世界中のラジオを聴くことができる
最大の特徴は何といっても世界中のポッドキャストを無料で聴くことができることです。
BBCニュース(英)やNPR(米)など、一つの国のラジオを日本にいながら聴くことができるアプリは存在しますが、多くは英語のポッドキャストですし、言語を切り替える機能が付いているアプリはなかなかありません。
しかしPocket Casts では37の国と地域の言語からポッドキャストを選択することができます。
番組数が豊富
番組数が多いのは英語圏のポッドキャストだけでしょ?と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、
なんとマイナー言語でも全く劣らず多くの番組を楽しむことができます。
人気の番組一覧からお気に入りの番組を見つけるのも良し、カテゴリー別で特定の話題を聴いて耳を鍛えるのも良し。
本当にたくさんの番組があるので、気に入った番組は「フォロー」をして自分だけのポッドキャストリストを作ってみてくださいね。
速度調整が可能・スリープタイマー付き
言語学習にとってかなり嬉しい機能が速度調整だと、筆者は個人的に思っています。
上級レベルの言語ではスピードを速めて耳を慣らす、初級レベルの言語では速度を少し遅くしてシャドーイングの練習をするなど、使い方は人それぞれたくさんあるように感じます。
Pocket Casts では0.5倍速から3倍速の範囲で再生スピードを変えることができるので、レベルに応じて使い分けてみると良いでしょう。
また、スリープタイマー機能も付いているので、寝落ちも気にせず快適にアプリを利用できますよ。
LingQ: 多読&多聴で多言語をインプット
LingQとは、多言語話者のSteave Kaufmannさんがアプリの制作に携わっているオンライン多言語学習アプリ(サイト)です。Steaveさんは55年間も言語を学び続けており、なんと20ヵ国語を話すことができます。
こちらはSteaveさんが多言語でお話されている動画になりますので、気になる方はぜひご覧ください。
LingQ の3つの特徴
- 自分の好きなコンテンツで自学自習ができる
- マイナー言語を学ぶことができる
- やりっぱなしにしない、充実した復習機能
自分の好きなコンテンツで自学自習ができる
Steaveさんは自身のYoutube動画でLingQについて説明されていますが、そこでは「言語は自分で習うものです(=自分で学ぶもの)」とお話しされています(その紹介動画はこちら)
また、LingQのHPでもアピールしているように、言語を「好きなコンテンツ」で学ぶことを重要視しています。そのため、LingQ には様々なジャンルのコンテンツが用意されており、自分の興味に合わせて言語学習を楽しく続けることができます。
「ライブラリ」には日々更新されるコンテンツがたくさん収録されており、全て音声と文章とともに言語を学ぶことができます。
マイナー言語を学ぶことができる
LingQ では、39の言語からレッスンを選択することができるので、他のアプリではまず見かけることのないマイナー言語も豊富なコンテンツを使って学ぶことができます(2022年8月現在)。
随時ベータ版として新しい言語も更新されているようなので、多言語学習者の方々にはぜひ一度利用していただきたいアプリです。
やりっぱなしにしない、充実した復習機能
LingQは言語習得の上で重要な要素である「復習」のしやすさに力を入れているように感じます。
レッスン画面では、上の画像のように新出単語は青くマークされます。意味が分からなければその単語をクリックすることで意味を確認することができます。
さらに、LingQと呼ばれる単語帳機能のようなものに追加することで、わからなかった単語をいつでも簡単に復習することができます。
フラッシュカード機能もついており、LingQとしてまとめた単語の暗記に非常に役に立ちます。
【有料プラン(メンバーシップ)について】
LingQの有料プランは、映画や音楽等のサブスクと比べてやや高い印象です。(詳しくはHPをチェック⇒https://www.lingq.com/ja/signup/)
無料でもほとんどの機能が利用できるので問題ないのですが、無料プランで利用しているとどうしても有料プランに切り替えたくなる瞬間があるんですよね、、、
有料プランの最大の特徴は、
- ボキャブラリLingQの作成が無制限
- レッスンのインポートが無制限
- モバイルアプリでオフラインのアクセスが可能
無料プランでは最大20個までしかボキャブラリLingQを作成できないため、それ以降は文章中の単語をクリックしても辞書すら表示されなくなってしまいます。
また、レッスンのインポートにも限りがあるため、通勤中にLingQを使用するとなるとかなり通信量が多くなります。そのため、ストレスなくLingQを使って最大限の成果を生み出すためには、やはり有料プランがおすすめになってくるでしょう。
Tandem: 多言語で利用できる言語交換アプリ
Tandemは、iOSとAndroidに対応している無料の言語交換アプリです。
言語交換アプリというとHelloTalk が有名ですが、多言語学習者の皆さんにはTandemを利用することをおすすめします。
Tandem と HelloTalk のどっちを使えばよいか迷っている方もぜひTandemの特徴を見ていってください。
(HelloTalkを使いこなす方法も別記事でまとめておりますので、併せてお読みください⇓)
Tandem の3つの特徴
- 複数の言語を登録できる
- ビデオ通話が可能
- タイムライン機能がなく、会話練習にのみ集中できる
複数の言語を登録できる
Tandemでは、学習したい言語を8つまで登録することができます。
HelloTalkでは複数の言語を登録するには有料会員になる必要があるので、多言語学習者にとってはありがたい特徴ですよね。
ビデオ通話が可能
無料会員でもビデオ通話を利用することができます。チャットや音声チャットを続けて、仲が良くなったパートナーとはビデオ通話がしたいときもありますよね。
ただ、いくら仲が良くなってビデオ通話がしたいとしても、LINEなどプライベートな連絡先は教えないことが得策です。
そのため、あらかじめビデオ通話の機能が備わっているのは、メリットに感じます。
タイムライン機能がなく、会話練習にのみ集中できる
タイムライン機能は使い方次第でメリットにもデメリットにもなると思います。
HelloTalkのようにタイムライン機能があれば、SNSを見る感覚で学習言語に触れることができます。
しかし、せっかくのアウトプットの場である言語交換アプリで、スピーキングの練習をせずに時間を消耗しているようにも感じます。
使い方次第&個人の勉強スタイル次第ですが、インプットは初めにご紹介したPocket Casts と LingQ、Tandemでは言語パートナーとアウトプットの時間を作れると多言語でも効果的に学習できるかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。この記事では、多言語学習者の皆様にぜひ使っていただきたいアプリを3つご紹介しました。
Pocket Casts
世界中のラジオ番組から選択でき、番組数も豊富。スキマ時間を使った単語力・リスニング力の向上に最適なポッドキャストアプリ
LingQ
20ヵ国語が話せる多言語話者が開発に携わった多言語学習サイト&アプリ。好きなコンテンツで自学自習ができる他、記憶に定着しやすい復習機能が充実
Tandem
多言語のアウトプットに適した言語交換アプリ。世界中の言語パートナーと繋がって、スピーキング力を鍛えられる
最後までお読みいただきありがとうございました。アプリ等を活用して、多言語学習をより効率的に楽しく続けていきましょう。
筆者はオランダ語の学習者ですが、マイナー言語であるオランダ語もしっかり含まれていて初めはとても驚きました^^