今回の記事でご紹介するオランダ語の絵本はdick bruna 作の「nijntje」です。
日本ではミッフィー(うさこちゃん)という名前で親しまれていますが、本場オランダでの名前はnijntje(ナインチェ)です。
nijntjeは小さなうさぎの女の子で、作品を通して様々なことを経験します。
この「nijntje」という作品は、dick brunaが描いたnijntjeシリーズの第一作目であり、
nijntjeの誕生について知ることができます。
ここでは、「nijntje」から一部抜粋して文法事項を勉強していきたいと思います。
第一章ということで、基本的なオランダ語の文構造についてみていきましょう。
平叙文の語順
まずは、平叙文の語順についてです。英語の場合は、「主語+動詞(+その他の要素)」ですね。
オランダ語の場合は以下のようになります。
mevrouw pluis zorgde voor het huis
dick bruna “nijntje” より引用
訳を考える前に、文構造をとらえていきます。(最後に筆者なりの訳を参考までに載せています)
① mevrouw pluis / ② zorgde / ③ voor het huis
① 主語 ② 動詞 ③ その他の要素
に分けることができます。
この例文をみると、英語ととても似ているようですね。
しかし、一つの例では法則性がわかりづらいので、もう一つ例文をみていきましょう。
daar kocht zij boontjes aan een tak
dick bruna “nijntje” より引用
① daar / ② kocht / ③ zij / ④ boontjes / ⑤ aan een tak
① その他の要素(副詞) ② 動詞 ③ 主語 ④ その他の要素(目的語) ⑤ その他の要素
この例文をみると、英語ではありえない文構造になっていることがわかります。
主語が3番目に来ていますね、、、!
しかし、ここで最も重要なポイントは「平叙文では動詞が必ず2番目にくる」ということです。
オランダ語では基本的には英語と同じように、平叙文では「主語+動詞+その他の要素」という語順ですが、強調したい単語を文の先頭にもってくることで主語が先頭にない文は普通です。
他の要素が文の先頭にきても、動詞は第二要素にくる、ということを覚えておいてください。
<例文1>
単語の意味:①プルイス夫人 ②~の世話をする(zorgen の過去形) ③家のために
参考訳:プルイス夫人は家の管理をしていました。
<例文2>
単語の意味:① そこで ② 買いました(kopen の過去形)③ 彼女は ④ 小さな豆 ⑤ 枝についた
参考訳:そこで彼女は小さな枝豆を買いました。
ちなみに上記の訳は講談社出版のオランダ語辞典を参考にしています。
オランダ語学習には必須アイテムなので、持っていない方はぜひゲットしてください!
疑問文の語順(Yes, Noで答えられる質問の場合)
次に、疑問文(Yes,Noで答えられる質問)の語順についてです。英語の場合は、be動詞の疑問文では「動詞+主語~?」、一般動詞の疑問文では「Do/Does +主語+動詞~?」ですね。
オランダ語の場合はどうでしょうか?
こちらの説明でも絵本からの抜粋した文章を使いたかったのですが、なんと今回選んだ絵本「nijntje」にはbe動詞や一般動詞を使った疑問文がでてきませんでした。
そのため、代わりに筆者オリジナルの例文でご説明したいと思います、、、(ごめんなさい)
例:① Is het boek interessant?(be動詞の疑問文)
② Komt u met me?(一般動詞の疑問文)
太字にした単語が動詞です。そして第二要素にきている①het boek (その本) ②u (あなた) が主語にあたります。つまり、オランダ語の疑問文は、英語のbe動詞の疑問文と同じように主語と動詞の位置を入れ替えるだけなんです。
英語に慣れている方は、オランダ語の一般動詞の疑問文の文構造に違和感を感じるかもしれませんが、オランダ語の疑問文の作り方はとてもシンプルであることがわかりますね。英語の一般動詞の疑問文のようにDo/Doesを使う必要はありません。
それでは、Yes,Noでは答えられない疑問詞を使った疑問文はどのように作るのでしょうか。
疑問文の語順(疑問詞を使う場合)
こちらは、「nijntje」の文章から抜粋してみていきましょう。
wat is dat
dick bruna “nijntje” より引用
引用する必要もないほどシンプルな文章で恐縮ですが、今回の絵本で出てきた唯一の疑問詞疑問文です。本来は語尾にクエスチョンマークが付きますね。
文構造は「疑問詞+動詞+主語(+その他の要素)」で、上記でご説明したYes,Noで答える疑問文と同じように主語と動詞が倒置された語順になっているのがわかります。
つまり、オランダ語で疑問文を作るときは、「主語と動詞を倒置させる」「疑問詞疑問文では文頭に疑問詞を置く」をまずは覚えておけばよいでしょう。
まとめ
今回は第一章ということで、基本的な平叙文と疑問文の語順を勉強しました。
オランダ語最大の特徴は、「平叙文では動詞が2番目にくる」ということ。また、英語とは違って強調のために主語以外の要素(目的語や副詞など)が文の先頭にくることがありますが、それでも動詞は2番目から動かない、ということでした。
そして、疑問文の作り方の基本は「主語と動詞を倒置する」ということでしたね。また、疑問詞疑問文では、「文頭に疑問詞をおき、さらに主語と動詞を倒置する」ことをご説明しました。
基本的な語順がわからないと、知らない言語の文構造をとらえることは難しいと思いますので、
今回の記事が少しでも皆さんのオランダ語の扉を開くきっかけになればいいなと思います。
次回からは文法説明をメインに行うのではなく、もっと絵本でオランダ語を読むことにフォーカスしたいなと思っています(文法は文法書を見れば載っていますからね、、、!)
それでは、Tot ziens~!!